これはキーボード #1 Advent Calendar 2024 1日目の記事です。
こちらからお読みください。
マクロパッドは、よく使うキーやショートカットをまとめたコンパクトなキーボードです。
そのシンプルさとコンパクトさから、自作キーボード制作・設計の最初の1台として最適であり、ゲーム、動画編集、イラスト制作、DTM、CAD作業などの効率化を目指して、理想的なマクロパッドを求めて自作キーボードの世界に足を踏み入れる人も少なくありません。
片手操作を前提とし、もう一方の手はマウスやペンタブレットなどのデバイスを自由に使える設計が多く、自作することで物理的なキー配置やキーバインドをカスタマイズし、作業効率を向上させることができます。
しかし、数値や単位の入力、普段使用しないキーなど、予期せぬ文字や数字を入力する必要が生じると、マクロパッドから手を離して通常のキーボードに持ち替えることになり、作業の集中が途切れてしまいます。
もし、マクロパッドにフルキーボード相当の入力機能を追加できれば、より完璧なデバイスになるのではないでしょうか?
前述の通り、マクロパッドはキー数の少なさを利点としています。しかし、フルキーボード相当の機能を実装しようとすると、これが大きなデメリットになります。もちろん、キー数を増やした新しいデバイスを設計することもできますが、ここでは現状のマクロパッドを維持し、片手操作・少キーというレイアウトのまま機能を増やすことを目指します。
その参考となるのが、Chorded keyboard(コードキーボード)です。
この記事では片手で操作するキーボードのうち、フルキーボード相当の機能を持つものを扱います。
こうしたキーボードのうちの多くはChorded keyboard(コードキーボード)とも呼ばれ、複数のキーを同時に押すことで、文字やコマンドを入力します。ここでいう「同時押し」は、shiftやFn、レイヤーなどのキーを先に長押しして他のキーを押す操作ではなく、複数のキーを同時に押して離す、真の同時押しを使用します。
もちろん、フルキーボード相当のキーを持つもの(tipy とか maltron)もあります。
両手を使った速記用キーボード(ステノタイプなど)のように、同時押しによって単語や文を入力するシステムは日本のTV放送のリアルタイムテロップ入力などにも使われています。また、日本で一番有名な同時押し配列としては親指シフト・NICOLA配列があげられます。
いくつか、Chorded keyboardの例を見てみましょう。
https://en.wikipedia.org/wiki/Microwriter
キーマップ:web archive
6キーしかないワープロ。指を絶対に動かさないという思想を感じます。
http://www.frogpad.com/
4行5列の20キー。
最下段が切り替えになっていて、上段+最下段の組み合わせで入力する。
Helix(QMK Firmware)への移植がされていて、froggyとして公開されている。
覚えやすいしレイアウトの変更もしやすいのでおすすめです。
左右分割キーボードHelixをFrogpadライクな片手キーボードとして使う
Froggy | 遊舎工房
https://matias.ca/halfkeyboard/
フルキーボードの左半分だけのキーを持つ。
スペースバーと同時押しで残り右半分のキーがミラー配置で入力できる。
QMKのswap-handsを使えば簡単に作れて意外とストレスなく打てて面白い。
half-qwerty keyboard proという派生があってフルキーボードだけどhalfキーボード機能があり、左右どちらでも打てるようになっている。しかもalps互換スイッチ。
この他にも様々なレイアウト・キーマップがありますが、今記事ではこの中でもキー数が少なすぎず、実装が容易なArtseyキーマップを使用します。