この記事はキーボード #1 Advent Calendar 2025の12日目の記事です。
昨日の記事はbbrfkrさんのコンパクトなトラックボール統合キーボード - laserの紹介でした。
4行横長デバイスは使い勝手が良さそうです。
こんにちは。おもしろ入力デバイス作家のhsgwです。 へんてこでおもしろい入力デバイスをたまに作ります。
以前に全ての文字が入力できるUltimate Unicode Input Deviceを作りました。
今年はロータリーエンコーダ(とその押し込みだけ)で文字入力をするデバイスを制作したので紹介します。
キーボードは文字入力デバイスなので、このデバイスもキーボードです。
このデバイスには1つの押し込み可能なノブとOLEDディスプレイを備えています。
ノブの左右回転によって選択と入力文字の決定を行います。
このデバイスにおける入力方法は金庫や郵便受けのダイヤル錠をモチーフにしており、入力したい文字まで一方向にノブを回して選択したあと逆回転させると文字が入力されます。
もし、入力したい文字を通り過ぎてしまった場合、同じ方向に回し続けて1周する必要があります。
ダイヤル錠で一度失敗すると最初からやりなおさないといけないあのもどかしさを再現しています。
ノブの押し込みは利便性のために同じ文字の連続入力やモディファイヤの入力に使用しますが、ノブの回転だけでも十分に操作できるよう設計しています。
通常入力モードではアルファベット・数字・記号などが一列に並んでリストから左右回転を使って文字を入力します。
ノブをシングルクリックでその文字を入力、ダブルクリックでShift+その文字を入力する補助機能も使用します。
例えば、Helloを入力する場合は以下の通りにノブを操作します。
a(初期値)から、右回転↩させてhまで進むダブルクリック(入力:shift+h = H)hから左回転↪でeへ移動eから右回転↩をはじめる(入力:e)lまで右回転↩で`移動クリックする(入力:ll)oまで右回転↩で移動日本語入力モードでは、ローマ字入力時の母音・子音を左右に振り分けることで交互打鍵のような感覚でテンポ良く入力出来ます。
左回転で母音[a i u e o]の選択、右回転で子音[k s t n h ....]の選択をします。
ローマ字では子音・母音・子音...の繰り返しが基本になるので、このダイヤル入力方法と大変相性が良いです。
こんにちわと入力する場合、
kまで移動oまで移動(左回転しはじめたときに、入力:k)nまで移動nを選択した状態で3回クリック(入力:nnn)iまで移動もちろん、入力後の変換もばっちりノブだけで操作出来ます。
SPを選択スペースが入力されるので変換候補まで送るエンターが入力されて、文字入力モードへ戻るhttps://github.com/hsgw/dial_input_device
誰が見ても広義のキーボードとして認められる立派な入力デバイスが今年も制作出来ました。
作る前まで不便を楽しむスタイルの作品になるかなと思っていたのですが、ローマ字入力、変換のリスト選択と回転操作の相性の良さが感じられて入力して楽しいデバイスになりました。
今年こそ、色んなところで展示をして作ったデバイスを見せびらかそうと思っています。
良いお年を!
明日はmassさんの記事です。
// この記事はmeiasで書きました
// 5z6p Instrumentsとしてキーケット2026に参加しますが準備は全然進んでいません!
